3.二日目②

14/14

291人が本棚に入れています
本棚に追加
/352ページ
 新田と僕に謎の画像を送ったリミッターが同じ人物かはわからないけれど、共通しているのはスカリムを使うことができる同じ高校生であるということだけ。これじゃあなんの手がかりにもならない。  紗名のように親しい友人としかクラウドのやりとりをしなかったり、有名リミッターのクラウドを読むだけの交流の少ないBランクのリミッターなら、怪しいリミッターを探すのもそれほど難しいことではないかもしれない。しかし、ランク上位のリミッターになればフォロワーだけでも相当な数だし、自分が知らなくても相手は知っているということが増える。  僕もある時期までは全てのフォロワーを把握していたけれど、 Sランクが近づいてきた今では頻繁に交流のあるフォロワーか有名リミッター以外は、リミッター名を見てもどういう人物なのか思いだせない場合の方が多い。フォローされていないリミッターともなるとほとんどわからない。  新田レベルともなるとおそらく大多数が一方的なフォロワーだろうし、その中からほぼ手がかりなしで問題のリミッターを探すのは不可能に近い。  そう考えると、祐ちゃんはやっぱり凄いと思う。Sクラスの頃でも一フォロワーだった僕のことをちゃんとチェックしていたんだから。  それにしても誰なんだろう、一体何の理由があって僕にあんな画像を送ってきたんだろう。  今までスカリムのリミッター達は自分を支えてくれる温かい存在だと思っていた。でもそれが少し揺らぎ始めている。たった一度おかしな画像が送られてきただけなのに。  画面の向こう側で見たことも話したこともない誰かに監視されているような、そんな気がして落ちつかなかった。
/352ページ

最初のコメントを投稿しよう!

291人が本棚に入れています
本棚に追加