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暗闇の中スマートフォンの明かりが、画面の上で静止している人差し指を照らす。
ブラックアウトした画面に『The sky is the limit』という文字が現れると、徐々に画面下方から美しい青空がせり上がってきた。
『The sky is the limit』とは、空は限りなく続くということから、可能性は無限だとか、制限はないという意味を持つ言葉らしい。
通称スカリムと呼ばれるこのSNSサイトでは、300文字以内のクラウドという短文投稿ができる。
サービス登録者はリミッターと呼ばれ、フォローされているリミッター(フォロワー)数に応じてランクがB・A・S・SSと段階的に上がっていくシステムだ。
数年前に世界的に有名なSNSであるTwitterを模倣し、日本のある大学生が立ち上げたと言われるスカリムは、認可企業による広告や教育機関から配信される公式ページ以外は、高校生しか使うことができない。
大人が入り込めないという特異性からじわじわと口コミで広がり、今では70%以上の高校生が利用していると言われている。
何度も未成年のみの閉ざされた環境を懸念する声が出ていて、その度にサービスが終了されるのではないかと話題になるが、多くの大手企業が高校生向けの宣伝ツールとして利用している為か、いつの間にか騒ぎは収束してしまう。
スカリムの使用やクラウドを発信することが日常の一部となっている高校生も多く、スカリムで人気リミッターになることは、今や高校生にとって一種のステータスでもある。
空が上部まで広がると、画面が切り替わり自分のトップページが表示される。
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鹿嶋彗太
@KAJIKATE_AL
クラウド
25,216
フォロー
67,489
フォロワー
97,850
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期末テストの期間中、ほぼ放置してしまっていたのに、フォロワーの数が30人程増えている。そのことに僕はほっと胸を撫で下ろした。
名前の横にはAランクリミッターである印、ALの文字がアンダーバーの後に記されている。
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