5.二日目④

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―――――――――― 鹿嶋彗太@KAJIKATE_AL @hatomeK_BL 【WHISPER詳細】 桐嶋ハトメさんこんばんは。 仙 冬可さん宛てのリプがたまたま目に入ったんですが、ハトメさんは仙 冬可さんから送られてきた画像をまだ持っていますか? 実は同じようなメディアリプが僕のところにも送られてきたんです。 でもすぐに消えてしまったから、誰から送られてきたのかわからなくて。 画像に写っている女の子が誰なのか調べているので、桐嶋ハトメさんのところに送られてきた画像を送ってもらえませんか。 あと、本当にその画像って仙 冬可さんから送られてきたものですか? 送ってきたリミッターが誰かわかったら教えるので協力してください。お願いします(。・人・`。) ――――――――――  ウィスクラを送ってしまうと、自分のやっていることが正しいのかどうかわからなくなってくる。  紗名にはああやって大人には言わないと言って彼女を見捨てようとした癖に、どうしても気になってしまうのだ。  もし、仙 冬可やきたむらのクラウドを見なかったら、忘れられていただろうか。多分、無理だ。  こんなに気になっているのは、彼女を見捨てた罪悪感やまだ生きているのかもしれないという希望を捨てきれないから。  でも、それだけではない気がする。僕は画像を見たときに感じた、得体のしれない恐怖の正体を知りたいと思っていた。何かが訴えかけてくる。あれは偽物なんかではないと。  きっとできることなんて何もない。それでも、諦めきれる気がしなかった。  明日、紗名にもう一度話をしよう。そう決心して、スマートフォンを手から離す。  ごとんと音を立てカーペットの上に転がったそれは、いつもなら僕と世界を繋いでくれる自分の分身のような存在なのに、今はとても異質なものに思えた。  「とりあえず早く風呂に入らなきゃ……」  のろのろと立ち上がって、部屋を出ようとするとスカリムの通知音が鳴った。  スマートフォンを拾い上げようとした手を戻し、僕はそのまま部屋を出る。
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