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「そんなにやりたいの……。SSランクになったら一体どうなるの? 何か良いことでもあるわけ?」
「いいことって……だって凄いと思わない? SSランクリミッターのクラウドとなると毎日何千・何万人もの高校生が見るんだよ。どれくらい影響力があるか母さんだって想像つくでしょ? みんなが僕のクラウドを見て、何か考えるんだ。それだけ支持されたら父さんだって、少しは認めざるを得ないんじゃないかな。別にわかって貰わなくてもいいけどさ」
少し考え込んでから、「そう……彗太は本気なのね」と母さんがもう一度口を開いた。
「母さんにはスカリムがどんなものなのかはあまり想像ができないのだけれど。あなたがこんなに何かに夢中になることは今までなかったから、無理に止めさせたくはないと思うわね」
「じゃあ母さんは応援してくれる?」
ばっと立ち上がった僕に母さんは少し苦笑いしながら言う。
「待って。でも本当に危険なことはないのね?」
「ないってば」
「わかったわ。そうね、もし本当にスカリムが彗太のどうしてもやりたいことなら、勉強と両立してもやり遂げられるでしょ。それなら母さんも応援するわ」
「もちろんだよ! 絶対なりたいんだ。勉強も頑張るよ」
「そう。じゃあ今回は母さんがなんとかお父さんのことを説得するから、あなたは今まで以上にしっかり勉強を頑張りなさい。でも彗太、影響力を持つということは、色々と大変なことなのよ。わかるわね? 絶対に危険なことや人を傷つけるようなことはしない。もし、何かあったら、母さんかお父さんに必ず相談しなさい、わかった?」
小さな子に言い聞かせるように母さんは言う。
「わかった、ありがとう母さん。絶対守るよ」
「それで彗太は今、何ランクなの?」
ランクを聞かれ、少し狼狽えた。ここでSランクだって言えたらかっこいいとは思うけれど、僕はまだAランクだ。
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