8.三日目①

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 熱くて息苦しい。まるで何者かが僕の上に覆いかぶさっているみたいだ。  誰かが僕を呼んでいる。何度も何度も。  その声は苦しげで目を覚まさなければならないと思うのに、体が重くて指一本すら動かすことができない。  誰だろう、早く答えなきゃ。  必死に体を動かそうとする僕の耳元で、スカリムの通知音がした。  ―――その途端、体がふっと自由になる。僕は息を吐き出しながら、布団から顏を出した。  どうやらもぐりこんだまま眠ってしまっていたらしい。体にびっしょりと汗を掻いている。 「夢か……」  なんとなくその声の主を知っている気がするのに、誰なのかわからない。  さっきの通知音も夢だったんだろうか。重い頭に顔をしかめながら、スマートフォンに手を伸ばす。  通知マークが画面上部についている。どうやら、通知が来たのは現実だったらしい。  目を擦りながらスカリムを開いた僕はがばっと起き上がる。一瞬で目が覚めた。 「……こいつだ」  そうだ、確かこの名前だった。僕にあの画像を送ってきたのは。 ―――――――――― 赤榕@AK_SSL @KAJIKATE_AL 画像を表示 ――――――――――
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