どこかで見たような。

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どこかで見たような。

海ちゃんは、美味しいそうにストロベリーシェイクを吸い切った。 海ちゃんの大好物。 私はその横でその様子に目を細める。 こうゆう時間、大好きだ。 書道部の武田くんは、合宿で居ないから今日は海ちゃんを貸し切りなのだ。 書道部に合宿があるって事にも驚きだけど、武田くんの作品のレベルの高さに私は舌を巻いた。 海ちゃんは、 「渋いにもほどがある」 と言って複雑そうに笑っていた。 夏休みのショッピングモール。 映画を見に来たのか、今日は特別に子供が多い気がする。 海ちゃんは散々迷った挙句、ようやくスカートを1枚選んだ。 それも珍しくあまあまで、ラブリーなやつ。 「武田くん、きっと喜ぶよ!」 そう言いかけてやめた。 それを口に出したら、海ちゃんはきっと買うのをやめてしまう。 「うーん、やっぱシェイクはいちごだな」 そう言って飲み終えた空になった容器を、反対側のゴミ箱に捨てに行って戻ってきた海ちゃんが珍しく慌てた様子で言った。 「ねえ、ひなた。本城くんがいるよ」
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