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今では長男が若頭補佐になって
落ち着いたかと思ってたんだがな。
その長男がここ最近、
物騒な事件に巻き込まれてて。
どうやら前妻が幹部の誰かと組んで、
返り咲きを狙ってるらしい。
…な?いろいろと面倒臭いだろ?」
コクコクと激しく頷く私に、
ナカダ氏は優しく頭を撫でながら言う。
「こんな男でも、いいのか?」
いつも強気なクセに、
捨て犬みたいな目をして訊くから
思わず胸がキュウウウッとする。
「はい、もちろん!
だってナカダ氏が
私を守ってくれるのでしょう?
だったら私もアナタを守ってあげます。
何でも望むことを言ってください。
…すべて叶えてあげるから」
どこからそんな自信が湧くのか
サッパリ分からないけど。
本当に何も怖く無かった。
ナカダ氏は私とは視線を合わさず、
恥ずかしそうにこう答える。
「…望みはたった1つ。
ずっとそばにいてくれ。
リナ、お前がいてくれたら何も要らない」
キュ、キュウウウン。
なんかもう、心臓がバクバクして、
私は思いっきりナカダ氏を抱き締めた。
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