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父は恐ろしいほどの勢いで喋りまくる。
「所詮、桜小路家は地元の雄だ。
全国展開しているナカタ商会とは
格が違うからな。
いいかリナ、本当にその次男とは
結婚まで約束してあるんだろうな?
結婚話が出ていなかったとしても、
最後までハメたな?」
…ハメ…る??
官能小説家を生業にしておきながら、
その言葉の意味が分からなくて。
しばし考え込んでいると父は
焦れたように言い直す。
「お前のお〇〇こに次男坊のチ〇コを
出し入れしたかと訊いているんだッ!」
な、なななな
なんたるお下劣ッ。
この人の血が、私には流れていないと、
嘘でもいいから誰かそう言ってッ。
しかし日頃の教育の賜物で、
父を恐れている私は小声で即答する。
「はい。きちんと私の〇〇〇(ピー)に、
XXX(ピー)が出し入れされました」
お願い、こんな会話を聞かないで。
…そんな願いも虚しく、
私のスマホに耳を寄せていたナカダ氏は
信じられないという表情でこちらを見た。
こ、怖くて顔が見れませんし。
仕方ないので父との会話に集中しますし。
不自然なまでにクソ真面目な表情で、
私は淡々と話し続ける。
「ならば良かろう。
とにかくその次男坊だけでも
挨拶に来させろ。
桜小路家との破談はそれから申し出る」
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