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ごうもん、ゆうかい、りゃくしゅ…。
そんなモノを実際に味わったの？
しかもそんなサラリと話してるけど、
それってナカダ氏的には普通なの？
固まった私を見て、彼は笑う。
「騎馬戦と一緒なんだよ。
担ぎ上げる人間は誰でもいい。
担いでいる奴らがドンパチしたくて、
俺ら兄弟は巻き込まれてるだけ。
ウチの父親はな、
リナの許婚同様に本妻と愛人が大勢いて。
あちこちに息子が４人も生まれたワケ。
跡継ぎは当然、
本妻の息子だと思うだろ？
それがさ、
残念ながら末っ子でまだ１２歳なんだな。
で、俺の５歳上に長男がいて、
それを跡継ぎにするのかと思ったら、
本妻と離婚して、なぜかあのクソ親父、
俺の母親と再婚しやがった。
クソ寒いことにその理由が、
『愛してるから』だとよ。
それが８年前のことだ。
当時、俺は２０歳の大学生で
遊び惚けていたんだがな、
一気に跡目争いが始まって
素敵なフルコースを味わったって話。
どうにかこうにか自力で逃げて、
ボロボロな姿の俺を見た母親が
半狂乱になって親父に抗議し、
跡目争いから早々に離脱したあと、
上京して編集者になったんだ。
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