第1話 蝶の妖精

5/12
前へ
/131ページ
次へ
それでも、1人で帰るのは万が一の可能性もある。 だからこそ、早く帰りたい願望が強かった。 近道である裏道を通ることに。 裏道は人通りが少ないうえ、人目にもつきにくい。 早く帰りたいとはいえ、我ながら愚かな選択である。 ?「お嬢ちゃん♪ちょっといいかなー?」 舞「え、は、はい??」 この裏道で1人の男性に声をかけられた。 反応してはいけないはずだが、無視できず、返事をしてしまう。 ?「わたしさー大手モデル事務所のスカウトなんだよ。 君かわうぃーね!どうだい!?モデルデビューしてみない?」 舞「え、えーと………」 反応に困って、タジタジしてしまう。 スカウト「まあ、立ち話もなんだし、ちょっとお茶でも…………」 ?「着いていったら破滅するわよ。」 舞「!?」 スカウト「なんだ!?」 スカウトの言葉を遮るように、1人の少女が言葉を被せる。 スカウト「な、なんだいお嬢ちゃん?」 ?「そこのJC。その男に着いていったら破滅する運命にあるわ。 そのお茶とやらに睡眠薬が入っていて、無理矢理ビデオを撮られて……」 舞「(ぞく……)」 スカウト「な、なにを言って……」 少女「大手事務所の名前を勝手に使っているだけ。 大手事務所ならこんな場所でスカウトなんてしないからね。」 スカウト「……ちっ、覚えてろ!」 少女に論破され、何も言い返せずに立ち去るスカウト(仮)。
/131ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加