第一部 三

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 それは博士にも言えることだった。俺も、ラーヴィたちも、博士も、普通の人たちとは決して相いれない、戦いに生き甲斐を見出す人種だ。光が強く照り付けるほど、狭くなった影でその身を縮こませる。みなが笑えば泣き、喜べば悔しがり、そして悲しめば喜ぶ。 「戦車はもう飽きたのか?」 「いまの技術では、性能を上げるために車体の巨大化をするのは日常茶飯事。大きければ大きいほど強いなどという、動物でも思いつくような単純な理論は退屈なんだよ。一方、お前たちは至高の兵器であり芸術品……。東の国に伝わる刀の刀身や波紋のように美しく、それでいて鋭く、かつ危険――」  ラーヴィたちは戦争の加害者であり被害者だ。何としてでも助けたい。だが、この男に助けは必要ない。 「物騒だな」 俺は、護身用として所持しているリボルバー式の拳銃をホルスターから静かに引き抜いた。 「あんたの気分ひとつで、仲間を危険に晒すわけにはいかない」
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