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綿密に調べているからか、情報量が多く、まるで歴史の授業でも受けているかのようだった。
「常識離れした身体能力と戦闘力によって、戦車をも単騎で撃破可能な兵士がいるという話を聞いたガリム側は、未知の脅威を恐れ、イーリス側に対して和解を提案。継戦能力に限界が来ていたイーリス側の陣営は提案を受諾し、ここに、二年続いた革命戦争は終結を迎えました。そして、戦争終結後に、≪五つ子≫の情報を隠すために、彼らはそれぞれの故郷へと帰らされていきます。また、自身が必要となるような戦争が来たときに備えて」
セレーヌは大きく息を吐き、安堵したような様子でこちらを向く。
「いかがでしょう?」
「大したもんだ。 僅か三日でここまで細かく調べられるとは」
「この時だけは、アデライード家の家柄に感謝しました」
称賛の言葉を聞いて笑顔を見せるセレーヌ。本当に将来有望だ。しかし――
「ひとつだけ、重要なところの情報を間違えているな」
「それはどこでしょう?」
「俺たちが計画の実験台になったのは、自分自身の意志だ。強制されたわけじゃない」
そこだけはしっかり言っておかなければいけない。俺たちは、ただの道具じゃない。
「申し訳ありません」
「気にしなくていい。誰にだって間違いはあるし、それに、参加することになった経緯なんて傍から見れば些細なことだしな」
ずいぶん長くおしゃべりしてしまった。早く準備を済ませなくては。
「さあ、早く準備を済ませよう。明日はブルクを通って、クルスへ向かう。寝坊するなよ?」
「もう大人ですし、大丈夫ですよ!」
その後、必要最低限の武器と弾薬を揃え、食堂で談笑しながら食事を取った。腹も膨れたところで、部下が用意してくれた仮眠室で床に就いた。
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