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空を見上げる。 周極星の星ぼしが輝いている。 あそこにオリオン、ケフェウス、そしてカシオペア。 北極星を中心に回って回って。いつも私を見張っている。 ペルセウスとアンドロメダも見つけた。 でも私はあそこには行けない。 「ごめんなさい、お母様。私は汚い」 体を汚し、人としてやってはいけないことを繰り返してきた。 「お母様、私を許して。」 父親なんてどうでもよかった。 貴女さえ私を見てくれたら。 愛してほしかった。 でも、今なら貴女の気持ちがわかる。 「幸せに、お母様」 私は夫と共に逝く。 私だけのペルセウスと。 綾乃は天に向かって手を伸ばしながら、ゆっくりと足を空中に運んだ。 完
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