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後30分で12時になる。最後の仕上げ。 綾乃はSMSを送信し終えると病室に向かった。 静かにドアを開け忍び込む。 「お母様、起きていらっしゃいますね。 今日はお別れに参りました。もうお疲れになったでしょう。楽にして差し上げます。 あの日から私、お母様に振り向いて欲しくて色々やってみたけれど、結局どれも効果はありませんでしたね。 悪い子にはお仕置きしてくださるかと折角いろんな男と寝たというのに。 貴女はとっても純潔を好まれていたから。 結局貴女が私に押し付けた純潔というものは、貴女自身の罪の購いを私にさせようとしただけのことですものね。 知らないとでも? お父様への当てつけですか?それとも身代わり? 今更どうでもよい事ですが。 貴女に死んで行った男達を差し上げますわ。 どうぞお供になさって。 叔父様も。 最後に一つだけ聞いても宜しいかしら。 私はどちらの子供なんでしょう?」 点滴は後10分程で落ち切る。 バッグから準備してきた注射器を取りだし、点滴バッグに針を刺す。 中に入った50CCのせっけん水を素早く注入する。 「お休みなさいませ、お母様」 注射器はそのままに病室を後にする。 残された母親は静かに涙を流す。
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