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「…あ、いえ、俺じゃなくて…おい亨、何後ろに隠れてんだよ」
長身で端正な顔姿の男は、慌てて否定するように右手をぶんぶんと左右に振りながら自分の背後を振り返った。そこから彼よりやや小柄で、細っこい男がおずおずと顔をのぞかせた。瞳が大きく愛らしい顔立ちではある。
「すいません、こいつが松波です。俺は付き添いで来ただけで…」
「こ、こんにちは…よろしくお願いします」
彼は、外見そのままのか細い声でぼそぼそと挨拶した。
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