第4話 広紀と鋼太郎の一番長かった夜について

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 開演前、亨から招待券を回してもらって客席にいた優留は、ファイサルが自分の席を探してきょろきょろしているのを見つけて声をかけた。  ファイサルの席はちょうど、優留の左隣だった。久しぶり、と自分から挨拶してきたファイサルに優留も笑顔で応えた。 「トリュフは今日、どうしてんの」 「バイト先に預けてる。そういえば今日この後、ルカがそこで打ち上げやろうって言ってるけど聞いたか?」 「ああ、俺たちだけで貸切にしてくれるって。だからアルコールの持ち込み可能なんだろ?後から買い出しに行ってくるよ」  のんびりと会話しながらファイサルと隣同士で座っていられることを、優留はとても嬉しく思った。
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