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――だからこんなにも、不愉快な気持ちになる夢を見るんだ。
「だめだ。いつまでもこんな気持ちでいたら、嫌なやつになる」
オレは自分に言い聞かせるように声に出して言った。
オレは浴室から出るとスマホのボタンを押してLINEを見た。寝ていた間に来ていたメッセージを確認する。付き合っていた頃はよく彼女の方から連絡が来ていたが、別れたその日からまったく連絡はない。彼女のIDを消そうかとも思ったが、自分の気持ちの整理がつくまでは、とりあえずそのままにしておいた。
メッセージを見ると、オレが寝た後から何回か友人でからメッセージが入っていた。
『お前、あの子と付き合っていただろ』
『あの子がいなくなった。3日前の夜からだ』
『何か知らね?』
『寝てるのか?』
『見たら返事くれ』
オレはそのメッセージを見て信じられない気持ちになった。彼女がいなくなった?3日前の夜から?オレはその日の昼に彼女と会っている。そしてそのまま分かれてそれっきりだ。
『いなくなったって?』
オレは友人に返事を送った。
すると電話がかかってきた。
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