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そうしてアイ君は露骨にいじめを受けるようになる。
ある日アイ君の下駄箱の上履きがなくなった。
「せんせー、僕の上履きが見当たらなくなってしまいましたぁ。困りますぅ!」
ある日、下駄箱の上履きに画びょうが入るようになった。
「あぁ! 痛いぃ! せんせー、せんせー、上履きに画びょうが入っていて怪我をしてしまいましたぁー」
ある日、アイ君の机に落書きがされるようになった。
「あ、机に落書きが書いてある。けさなきゃ!」
ある日、アイ君の机に菊の花が置いてあった。
「あ、お花だぁ」
……この辺りまできて、どうやらアイ君には、どうも暗喩の様な高度ないじめは効果が薄いと判断しただれかが、暴力の直接行使に行動を方針を代えた。
といっても最初はすれ違いざまに肘をこずいたり、足を引っかけたりするだけだった。
これにアイ君のそれまでの態度が僅かに変化した。少し大人しくなったのだ。
「や、やめてよぉ……」
しかしもう遅かった。
アイ君のこの反応は、やっと得られた反応だった。
それはいじめの加担者に、ある種の満足感とともにもっと味わいたいという飢餓感。あくなき支配欲をこれでもかと言うくらい
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