シェルター

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「外部との連絡はこの携帯でお願いします。私に直通でつながります」そう言うと秘書は携帯を社長に手渡した。「社長だけシェルターに入ってください。私は外に残ります。そして社長の指示に従って会社を代理で経営していきます」 「君は入らなくても平気なのか?」と言いながらもエス社長は他人をシェルターに入れる気は無かった。 「感染しても全員が死ぬわけではないです。致死率が99%なので、生き残る可能性は1%あるじゃないですか。1%の望みにかけてみます」 「そうか、任せたぞ」エス社長と秘書はがっちりと握手を交わした。  エス社長はマスクを二重につけると、黒い高級車に乗り込んでシェルターへ直行した。白く丸みを帯びたシェルターを見つけるとすぐさま車を降りて、シェルターの中に吸い込まれるようにして入っていった。
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