第二話 俺、学校に行く

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 さくっと四歳になった。  俺はようやく家の外を自由に歩けるようになった。  俺が住んでいる場所はちょっと規模が大きい村のようで、ザ・田舎を体現したような村だ。  前世は作曲で結構金を稼いでいたから、都心部でちょっと高めのマンションを買って暮らしていたが、正直コンクリートジャングルは見飽きていたんだよな。  だから、この田舎丸出しの村ってのは、のどかで俺は好きだった。  何より、農作業をしている村人の目の光は、しっかりと生きようとした意思が宿っている。だから皆すごい元気だ!  実はこの村は珍しく小さな図書館が存在している。俺はよく通っていたので、村人から顔と名前を覚えられ、にこやかに挨拶する仲になっていた。  しかし、ここで俺は魔法の練習に取りかかろうとしたが、とんでもない事実が発覚した。  魔法は、学校に通い始めて、教師から魔法解放の儀を行って初めて使えるようになるんだとか。  しかも学校は五歳にならないと通えない。  マジかよ!  普通テンプレなら、幼少期から魔法の特訓をして、とんでもない魔力を以て無双していくのにさ!  人前に出る前に驚愕する魔力量だとか、そういう事は言ってもらえないのか……。  テンション下がってくるぜ……。  後四歳になった頃には、父さんと一緒に狩りに出掛けていた。  父さんと一緒にウェアウルフという狼より牙を鋭くして、爪がまるで刃物のような魔物を狩るんだ。  俺と父さんは剣でウェアウルフの首を跳ね、その場で血抜きをして解体。  毛皮は大きな町や村で売る為に、その場で血抜きと解体を行い、肉は俺達家族が食べる分となる。  父さんは剣術の腕がよく、それから教えてもらった俺も、めきめき上達。  四歳なのにウェアウルフ位なら単独撃破は楽勝なんだぜ! 「ハル、お前は天才だな! はっはっは!!」 「ふふん、俺は父さんの子だし、当然でしょ!」  父さんは豪快に笑って俺を誉める。  まぁ死んだ時に購入した『剣と魔法の成長率特大アップ』のおかげなんだけど、特訓は相当苦労したから悪い気はしないな!
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