第二話 俺、学校に行く

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 母さんからは、よく歌を聞かせてもらっていた。  母さんは昔歌手を目指していたそうだ。  別にこの世界は、レコードとかそういうのは一切なく、酒場等で歌を披露する。人気が出るとコンサートとかやって稼げるのだそうだ。  でも結局夢は叶えられず、挫折。普通の村娘に収まったみたい。  しかし贔屓目を除いて母さんは結構歌上手い!  俺の楽曲でボーカルとして、土下座しても頼みたい位だった!  そういや俺も美声を購入していたな。  くっそ、録音環境があれば俺の声を確認できたのに!  そして待ちに待った五歳の春!  俺は今、村から少し離れた所にある、学校の入学式に参加していた。  ふっふっふ、ついに俺も魔法が使える日が来たんだ!  これをどれだけ待ち望んでいたか!!  周りを見渡すと、他の村からも子供が集まっていて、総勢二十人位が同級生となる。  この学校はそこそこ大きく、多数の村から集まってくるので、在校生が思った以上に多かった。  さて、軽く学校のシステムを紹介しよう!  まず学校は、最大五年間在籍する事となる。まぁ成績が優秀なら、飛び級してさくっと卒業出来るみたいだ。  そして卒業したら、様々な選択肢が与えられるらしい。  冒険者になるか、魔術師として活躍するか。  冒険者はフリーの何でも屋さんだ。雑草狩りやら、魔物の間引き等仕事の内容は多岐に渡る。  対して魔術師は、最終目標は王宮魔術師として雇われて、日夜魔法の発展の為に研究するそうだ。  それまでは冒険者で日銭を稼いだりして、年に一度の王宮魔術師試験に挑むのだとか。  もちろん冒険者として名を上げてスカウトってのも、選択肢としてはありらしい。  じゃあ魔術師としての適正がなかったら、どうなるか?  それは父さんみたいに剣一本で名を上げるか国の兵士になるか、それか狩人になって自給生活をするかだ。
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