第三話 魔法解放!!

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「お静かに! この魔法解放の儀によって魔法が使えるようになります。ですが、魔法が使えない人もいるのは事実です。ですから必ず使えるとは思わず、『使えたらラッキー』と思っていてくださいね」  おおぅ……、この先生結構ストレートに言うな。  でもそのおかげで浮き足立った皆は静かになった。使えないかもしれないって不安が出てきたんだろうな。  皆の表情に緊張が走っている。  その中で俺だけは余裕の表情だ!  なんたって、魔法が使えるのは確定しているからな!  ……ユニーク魔法だけどね。 「す、すごいねハル。先生のあの言葉で落ち着いているなんて」  ガッチガチになっているレイが、俺に驚いた表情を見せて話しかけてくる。 「別に使えなかったからって、死ぬ訳じゃねぇし。魔法が使えなかったら生活出来ない訳でもねぇだろ?」 「……確かにそうだね。僕は今まで魔法を使えなくても暮らせてたからね」 「う……うん。そう、だよ、ね」  リリルは顔面蒼白だった。  でも、俺の一言で二人とも少し安心したようだ。  よかったよかった! 「それに俺は、魔法が使えなくても剣があるしさ。そっちで身を立てられるし」 「へぇ、君は剣が出来るんだ。後でお手合わせ願おうかな?」 「いいぜ、怪我しても泣くなよ?」 「大丈夫だよ」  やっぱりこいつ、貴族だけあって立ち振舞いもそうだが、言葉遣いが五歳児とは思えない。  それなりに教育は受けているんだろうな。  こりゃ、手合わせも気を引き締めないと、俺がボコボコにされそうだ。  皆が緊張している中、俺達三人だけは緊張がすっかり解れた。  さて、この魔法解放の儀だが、一人ずつ行われていく。  アンナ先生が生徒の名前を呼び、その生徒は先生の所へ向かっていく。  まずアンナ先生が何か呪文みたいなものを小さな声で呟いている。何言ってるか聞き取れない。  その後に、子供の頭位の大きさの透明な水晶球に触れさせる。  すると、水晶球が赤く光った。 「おめでとう! アンディ君は火属性の魔法が使えるようになりました! 魔力量は《ランクC》ですね」  へぇ、あの水晶球で属性と魔力の量がわかる訳か。  でも魔力量って増やせないのかな?
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