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「なぁレイとリリル、魔力量って訓練とかで増やせないのか?」
「ふ、増やせない、よ」
「うん、リリルが言った通りで、魔力量は増加させる事は出来ないらしい」
「へぇ、そうなんかぁ」
レイがさらに魔力量のランクを詳しく説明してくれた。別に頼んでないんだがな。
一番下がEで、一番良いランクはSとなっている。
アンディって奴はCだから、平均値という事だな。
……五歳児に早速ランク付けとか、容赦ねぇなこの学校。
次にリリルが、属性についても教えてくれた。
「あの水晶球の、光った、色で……属性が決まる、よ。赤が火属性、青が水で……黄色が土、み、緑が風。銀色が光で、紫が闇、だ、よ」
相変わらずオドオドした話し方だが、それが可愛い!
そして、「光がどれくらい眩しいかで、魔力量が、決まる、よ」との事。
なるほどねぇ、良くできた水晶球だ事。
実際、水晶球は忙しい位様々な色を出しているが、時折全く光らない事があった。
それが魔法適正がない、という反応だ。
その事実を突き付けられ、そいつは大声を出して泣いていた。
あぁ、せっかく魔法が使えると思ったら使えない、そりゃショックさ。
なかなか残酷なシステムだねぇ、全く。
しかもすでに三人が適正無しだった。二十人中三人とは、そこそこ高確率なんだな。
皆の魔法解放の儀を見ていると、アンナ先生がレイの名前を呼ぶ。
「呼ばれた……。行ってくるよ」
「おう。まぁ気を楽にしろよ?」
「が、頑張っ、て」
レイは直前になって緊張してしまったようだ。
俺とリリルは励ましの言葉を送ると、少し緊張が和らいだみたいだ。
レイがアンナ先生に呪文を掛けられ、その後水晶球に触れる。
すると、目を開いていられない位眩しい、銀色の光を発した。
「こ、これはすごい! 珍しい光属性です! しかも魔力量は《ランクA》です!!」
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