第四話 ユニーク魔法は役立たず!?

4/6
前へ
/33ページ
次へ
「私達教師は、親御さんからお子さんを預かっている身だ。ユニーク魔法を発現させて死んでしまった場合、大変な事となるのはわかるかね?」 「まぁ想像しやすいっすね」  多分母さんが半狂乱になって、この学校を糾弾するだろう。  父さんも剣でチャップリン校長に斬りかかるかもしれないし。  あれだ、つまり穏便に済ませたいから、魔法は使うなって事だろ? 「だから、魔法の練習をしたい場合は必ず、アンナ先生に付き添ってもらう事を条件とする」  ありゃ?  予想とは違った。  魔法使っていいんだ? 「……驚いた。学校の体面を守る為に魔法使用を禁止されるかと思ってたけど」 「君は五歳児の発想ではないね……。そんな君にだから言えるのだが、私達にも利益があるんだよ」 「利益?」 「うむ。もし君がユニーク魔法を使用出来るようになったら、私達はその属性を有効活用できないかを調査し、君に指導する」  はっはぁ、読めたぞ。このチャップリンの描いた図式。 「俺を指導して成功したら、それをこの学校の売り文句にする。すると世の中のユニーク魔法発現者もここに入学してくるから、生徒も増えるし国からの援助も増えるって事でしょ?」  この学校は、国営だ。  いや、この世界の学校は基本的に国営だって言った方が正しい。  国が定めた最低基準を満たす事で、国の資金によって運営される。  国営と言ってはいるが、実質運営方法は校長に任せられる。つまり投資運営だな  生徒数が増えれば投資金額が増える。金額が増えるという事は校長の給料も増える。さらには教師の給料も増える。  もし給料を増やしたいのであれば、生徒を増やさなきゃいけない。  えっ、何で俺がそんな事知っているかって?  うちの村の図書館にちょっとした資料があって、それを読んだらわかったって訳。  とりあえずこのチャップリンめ、俺を使ってユニーク魔法の有効活用を発見できたら、俺自身をモデルケースにして宣伝にしやがるつもりだな?  まぁ、そうしてくれた方が俺も遠慮なく利用できるってもんだ。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加