第四話 ユニーク魔法は役立たず!?

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「……ハル君、あなたは何者ですか?」  アンナ先生が目を点にして俺を見ている。  いやぁ、何か照れるぜ。  チャップリン校長も、目を見開いて俺を見ている。  ……野郎の視線は遠慮願いたいぜ。 「別に、ただの五歳児ですけど?」 「……『ただの』五歳ではないのはよぉくわかりました」  ま、中身はおっさんですがね! 「とりあえず校長先生。俺を遠慮なく利用してくれて構わないっすよ」 「……本当かね?」 「もちろん。ただし、交換条件。俺のこの魔法の正体を一刻も早く知りたいので、全面的に協力してもらいますぜ?」 「……具体的には?」 「そうっすねぇ~。魔法は確か学問だったと思うので、それ関係の書籍を全部貸してもらいたいのと、今日から早速魔法の練習をするんで、アンナ先生を学校終わった後に借りたいっす」 「うむ、なんら問題はない。許可しよう」  チャップリン校長は、アンナ先生に確認する事なく、俺の申し出を許可した。  アンナ先生、すっげぇ批難的な視線を校長にぶつけるけど、何食わぬ顔で校長は受け止めている。  ま、先生は凄みが一切ないから、怖くないんだけどな! 「よろしく! んで、俺にまだ何か用事は?」 「うむ、ないな。ハル君……と言ったな? 今日の授業は午前中で終わりだから、お昼を食べたらアンナ君と合流をして練習をするといい」 「ういっす」 「その間に書籍は私の方で準備を始める。完了したら呼びに行く」 「は~い、待ってますよ、チャップリン」  やべ、チャップリンって言っちゃった! 「うん? 君に私の本名を伝えたかな?」  あんた名前チャップリンなのかよ!!  実はあれだろ、あんたチャップリンの生まれ変わりだろう!  あの女神様の所で、容姿と名前をそのままにして前世の記憶引き継がないで、こっち来ちゃったって感じだろ絶対!
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