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「ハル、大丈夫だったかい?」
「は、ハル君……大丈夫?」
俺はアンナ先生と教室に戻って自分の席に座ると、レイとリリルが心配そうに話しかけてくれた。
「おう、大丈夫! 俺、ユニーク魔法持ちだったみたいだ!」
「「えっ……」」
ああっ、二人の表情が悲痛そうな顔になってる!
どんだけだよ、ユニーク魔法!!
「そ、そういう目で見るなって! ほら、ユニーク魔法っていうと俺しか使えない魔法じゃん!? だったら今まで誰一人極められなかったユニーク魔法を、俺が極めればいいだけの話だしさ」
「で、でも……私、ユニーク魔法持っちゃうとどうなるか、知ってる、もん」
あぁぁぁぁ、リリルさんや!
俺の為にそんな泣きそうな顔になってくれるのは嬉しいけど、そんなに俺自身悲観していないから、マジやめて!
女の子の泣き顔見ると、マジで心折れそう……。
「リリルの言う通りだ。僕も知っている。その……」
あぁ、大体のユニーク魔法所持者は自爆して最悪死んでるのを知っている訳か。
つまり発現させたら俺もそうなるんじゃないかって、二人共心配してくれてるんだな、きっと。
……ありがてぇな。
「心配してくれてありがとうよ! ま、死なない程度に今日から特訓するからさ!」
「「えっ、特訓?」」
「おう、アンナ先生が見ている上なら、魔法の特訓してもいいらしいぜ」
「ほ、本当に大丈夫かい?」
「き、き、危険だ、よ?」
「先生がいるなら大丈夫だって、だいじょ~~ぶ!」
俺がこんだけ大丈夫って言っても、二人共まだ不安そうな顔してるわ。
とりあえず俺は、二人の頭をくしゃくしゃっと撫でる。
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