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「うわっ、何するんだ!」
「は、ハル君?」
「ははっ、俺はツいてる! 入学早々最高の友達が二人も出来たんだからさ!」
「と、友達?」
「ありゃ、俺が勝手に友達って思ってたパターンかな? なら改めて俺と友達になってくれ、リリルとレイ!」
俺は二人の顔を交互に見た。
うん、嫌そうな顔はしてねぇな。
もし嫌そうな顔してたら、おじさん傷付く。
結構俺、メンタル弱いんだぜ?
するとレイが、「ぷっ」と吹き出し小さく笑い始めた。
「あははっ、こんなに面白い男の子は初めてだよ! 喜んで、お友達になろう!!」
レイが俺に握手を求めてきた。
さっすが貴族! しっかり友情を形にして表現してきやがった。
人間、何だかんだで目に見えない『人間の関係性』を何とか形にしたいからな。
俺はにかっと笑って、握手をがっちりした。
リリルも、声を振り絞りながら、赤面しつつ言った。
「わ、私も……話してて楽しいし、こん、な私に……『しゃきっと喋れよ、キョドり女』って言ってこないのが、嬉しい」
あ?
誰だ、可愛いリリルにそんなふざけた事抜かしたガキは!
それが可愛いのがわからんとは、やっぱりガキだな、所詮は!
……後で誰かわかったら、蹴飛ばしてやる。
まぁそれは置いておいて。
リリルも遠慮しがちに握手を求めてきた。
小さい手だなぁ。
彼女のそんな手をがっちり握り、強い友情の証として握手をした。
その時、リリルは満面の笑みを見せてくれた。
そうだよ、女の子はやっぱり笑顔が一番だぜ!
さぁ、頑張って授業を受けてやろうじゃないか!!
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