第五話 俺の魔法は、シャボン玉……

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 さて、待ちに待った魔法特訓の時間です!  えっ、授業風景はどうしたって?  だってさぁ、これも異世界転生物の鉄板でさ、四則演算のやり方からだったんだぜ?  俺はそんなの前世で日常的にやってたから、今更なんです。  眠気を抑えるのが本当に大変だったけど、俺とレイでリリルの手伝いをしたりしてたら、眠気は吹っ飛んだ。  レイはさすが貴族の息子、すでに四則演算は普通に出来ていたな。  今俺は、学校の魔法訓練所にいる。訓練所は魔法の試合等を行える場所でもあり、観客席が設けられている。  この場にいるのはアンナ先生と、心配で様子を見に来てくれたレイとリリル。  ただしレイとリリルは観客席からの見学だ。 「では、始めましょう。ハル君、心の準備は良いですか?」 「全然問題なしのオールグリーンですよ~」 「わかりました! なら始めましょう」  とか言ってるけど、実はアンナ先生が俺より遥かに緊張しているのは知ってるんだぜ?  アンナ先生もなかなか可愛いのぉ! 「さて、私と校長先生で特訓内容を決めました。まずハル君には、《魔力瞑想》をやっていただきます」 「なんですか、それ?」 「魔力瞑想は、体内にある魔力を体外へ放出するものです。その時に放たれる魔力の色や質で、ハル君の魔法属性をおおよそ決めます」  おおよその判断なんだ……。  でもまぁ、手掛かりが全くないよりかはマシだな!  俺はアンナ先生の指示に従ってその場で座禅を組み、目を閉じる。
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