第一話 俺は死んじまった

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「ごほん! さて、貴方は亡くなられてしまい、次の生を決めなくてはいけません」  あっ、そうなんだ。  輪廻転生って言葉があるが、本当だったのね。  でさ、どうやって決めるのさ。 「はい、貴方が生前に行った行動をポイント化し、それを元に来世を決めます」  俺の行動がポイント化かぁ。  怖くもあり、ちょっと楽しみでもあるなぁ。 「では、まず貴方のポイントを発表しましょう」  おおぅ、女神様の後光が半端なく輝く。  眩しい、マジ眩しい! 「貴方のポイントは…………」  俺の、ポイントは? 「四捨五入して、560000ポイントです」  おおっ!  ……って、それは多いの? 「かなり多い部類でしょう。基準としてはどれだけ世の中の為に行動したかです。貴方は作曲家として、ネット上でも企業でも多数の楽曲を発表しました。それらは人の心を豊かにし、企業の商品イメージを良くした物でした」  ……何だろう、神様にそう言われるとすっげぇ嬉しいな。  そっか、俺の楽曲は世の中に役に立ってたか。 「マイナスポイントとしては、伴侶を持たなかった事ですね」  はいはいはいはい!  どうせ俺は童貞ですよ!  わるぅござんしたね!!  しかたねぇじゃん、作曲が楽しくて仕事してたら、女っ気全くなくなったんだしさ。 「伴侶を持っていたら、プラス10000ポイントでした」  何気に高いな!  そっか、相手を幸せにしていたら、そのポイントが付いたんだろうな。  まぁいいや!  女神様、このポイントでさっさと来世を決めたいから、システム教えてくれよ。 「……ポジティブですね。大抵の方はまだ死を受け止めきれずに嘆いているのですが……」  だって死んじまったら仕方ないじゃん。  でもご丁寧に来世を用意してくれてるんだから、落ち込んでいるのも勿体ないべ?  ならさっさと俺は来世へと旅立ちたい訳よ。 「面白い方ですね、貴方は」  おう、取引相手にもよく言われたわ、その言葉!  じゃあ簡潔にシステム説明よろしく! 「では説明します。まず貴方は手持ちのポイントで『来世の世界』、『人種・才能・技能』、『特殊能力』を購入します。それが確定し次第、来世へと旅立っていただきます」  非常に分かりやすいな!  じゃあちゃちゃっと進めようぜ!
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