第五話 俺の魔法は、シャボン玉……

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 自分の手を見ると、全く透明のオーラが俺の手や腕を覆っている。  あれだ、ド○ゴ○ボ○ルみたいな感じだ。  でも、無色だね、俺の魔力……。 「ねぇアンナ先生、俺の魔力の色、無色っすよね」 「……ええ、無色ですね」 「えっと、……つまり?」 「………………属性ではない可能性が出てきます。前に話した《操作系》等の現象を操る魔法の可能性が出てきました」  《操作系》とは、何かを操作する魔法だ。  ほんの数ミリしか物体を動かせなかった魔法だったよなぁ。  何か聞く限り、色々やれそうな気がするんだけどね、その魔法も。 「では次の段階に行きましょう。今纏っている魔力のオーラを掌に集めてみてください。文献によると、これで大抵のユニーク魔法の正体が掴めるとの事です」 「了解!」 「ただし気を付けてください。それを行った事で、《氷属性》の使い手は全身氷漬けになって死亡しました。《樹属性》の使い手も自分が樹になってしまいましたから」  おおおおいっ!!  さらっと怖い事言わないでくれる!?  くそっ、アンナ先生、俺の事もう五歳児として扱ってくれてねぇ!!  まぁ、そっちの方が気楽でいいんだけどね。  えっと、掌に集めるイメージだっけか?  あっ、これもド○ゴ○ボ○ルを元にイメージした方がいいな。  よっしゃ、やるぜ!! 「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」  うん、ただ叫んだだけ。  そうした方が雰囲気出るじゃん?  さぁ、何か出ろ、何か出ろぉ!!  ……ちょっと屁が出たが、気にしない。  おっ、掌が熱くなってきた。  よっしゃ! そのまま発現したまえ、俺のユニーク魔法! 「来い来い来い来い、来た来た来た来たぁ!!」  ぽわんっ。  ……はい?  俺の掌に、シャボン玉みたいなのが生成された。  えっ、何これ。 「アンナ先生、シャボン玉が……出来ました」  えっ、まさか俺のユニーク魔法、シャボン玉を作る魔法……?  マジ、本当にマジ?  ははっ、辞めてよそんな冗談。マジいらねぇよ、冗談は。  今の俺の顔、絶望してる顔なんだろうなぁ。
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