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「えっ、私には何も見えませんが?」
「うえっ? ほら、俺の掌にあるじゃないですか、シャボン玉!」
「……何もありませんよ?」
「うっそだぁ!! レイとリリル、俺の掌にシャボン玉があるよな?」
観客席に座っているレイとリリルにも聞いてみた。
だが、二人共首を横に振っている……。
……マジで?
「……つまり、君以外には見えないシャボン玉が作れたという訳ですね」
「……そういう事っすかね」
「……使い道、一緒に考えましょう」
「……俺、泣きそうっす」
俺のユニーク魔法。
俺にしか見えないシャボン玉を生成する魔法でした。
まっっっっっっっじで、役に立たねぇ!!
俺はこの二度目の人生で、赤ちゃんの時以来初めて泣いた。
流石の俺も、ここまでの理不尽は悲しかった。
くっそぅ、本当にユニーク過ぎて、もう乾いた笑いしか出てこねえよ……。
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