第五話 俺の魔法は、シャボン玉……

8/8
前へ
/33ページ
次へ
「えっ、私には何も見えませんが?」 「うえっ? ほら、俺の掌にあるじゃないですか、シャボン玉!」 「……何もありませんよ?」 「うっそだぁ!! レイとリリル、俺の掌にシャボン玉があるよな?」  観客席に座っているレイとリリルにも聞いてみた。  だが、二人共首を横に振っている……。  ……マジで? 「……つまり、君以外には見えないシャボン玉が作れたという訳ですね」 「……そういう事っすかね」 「……使い道、一緒に考えましょう」 「……俺、泣きそうっす」  俺のユニーク魔法。  俺にしか見えないシャボン玉を生成する魔法でした。  まっっっっっっっじで、役に立たねぇ!!  俺はこの二度目の人生で、赤ちゃんの時以来初めて泣いた。  流石の俺も、ここまでの理不尽は悲しかった。  くっそぅ、本当にユニーク過ぎて、もう乾いた笑いしか出てこねえよ……。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加