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「ぎゃいん!!ぎゃいん!!ぎゃいん!!ぎゃいん!!ぎゃいん!!ぎゃいん!!ぎゃいん!!ぎゃいん!!ぎゃいん!!ぎゃいん!!ぎゃいん!!」
野良犬のエスを噛んだ野良犬仲間のカメは、保健所の人間に捕まえられて野犬収容車に放り込まれた。
カメの涙で濡れた目は明後日の方向を向いており、牙の間から涎がダラダラ垂らしていた。
カメは保健所の隔離檻に監禁された後に、その短い犬生に終止符を打たれた。
エスに喧嘩を売った野良犬達もまた、狂犬病に侵され保健所に連れられ隔離されたた後次々と殺処分された。
それだけでは無かった。
他の野良犬達も悉く、狂犬病対策に保健所に捕獲され全匹ガス室に入れられ安楽死処分された。
その頃、エスはブルブルとゴミ溜めの中で頭を抱えて怯えていた。
・・・僕のせいだ・・・!!
・・・僕のせいだ・・・!!
・・・僕が人間の子供に噛みついたから皆が人間に殺されたんだ・・・!!
・・・ごめんよ・・・!!
・・・ごめんよ・・・!!
ドガッ!!
「居たぞ!!」
保健所の人間が如何にも狂犬病に侵されたと思われる野良犬・・・エスを発見した。
グイッ!!
「このやろう!!行くんだ!!」
保健所の人間は、エスの首に棒に付いたワイヤーのわっかを引っかけて野犬収容車の檻に放り込んだ。
・・・これで年貢の納め時かな・・・
保健所の隔離檻に監禁されて、遂に2週間経った。
一緒に入れられてた名もなき牝の狂犬病の野良犬は既に人間に殺処分された。
一匹になってしまったエスは、抵抗する気力も無くただただ口から涎がを垂らし『死』を待って寝そべっていた。
・・・僕、どう生きてきたっけ・・・?
・・・生まれて気づけば段ボールの中に入ってたな・・・
・・・捨てられたんだよな、人間に・・・
・・・で、この仕打ちなんて・・・
・・・もういいんだ・・・
・・・けじめをつけよう・・・
・・・今度生まれて来たら、人間と犬が仲良く暮らす世界に生まれたいな・・・
・・・『狂犬病』の無い世界に・・・
ガチャっ。
ぎぃ・・・
檻の扉が開いた。
・・・さようなら、『狂犬病』の僕・・・
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