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ばうっ!!ばうっ!!ばうっ!!ばうっ!!ばうっ!!ばうっ!!ばうっ!!ばうっ!!ばうっ!!
「殺してくれ!!さっさと俺を殺してくれ!!もう俺は!!触れた者をこれ以上不幸にしたくねえんだ!!」
がん!!がん!!がん!!がん!!がん!!がん!!がん!!がん!!がん!!がん!!がん!!がん!!
ここは保健所。
狂犬病を患った犬達が隔離された頑強な檻の中。
ある1匹の雑種犬が、口から鼻からダラダラと涎が垂れ牙を剥出し、目は爛々と血走り、狂ったように周辺の鉄の壁に何度も何度も何度も何度も体当たりした。
「お前・・・そんなに出たいか?もう駄目だ。後もう少しでこの犬生は終わりだぁーーーー!!
畜生・・・もっと生きてたいのに・・・
憎い!!私を捨てた人間が憎い!!
人間は身勝手だぁーーー!!」
身体中を皮膚病だらけのような醜態を晒すやはり『狂犬病』を患った牝犬が、涙を流して命乞いをしていた。
「いいよ。もうすぐ2週間経ったんだぁーーーー!!あたい『狂犬病』っぽいことここでしちゃったからぁーー、私達は死ぬんだもん。はははははは!!」
既に精神に異常をきたした牝犬は、けたたましく笑い転げて頭をガンガンガンガン壁にぶつけた。
・・・もう、嫌だ・・・!!
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