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あおい『なんで今まで隠してたのさ?』
虎太郎『自慢話してるみたいで好きじゃないんだよ…』
あおい『(確かに…正直自慢話してるって言われてもおかしくない球歴だもんね…)』
あおい『でも、やっぱりこたろーくんは凄いよ!』ワクワク
あおい『あ、でも一つだけ気になる事が…』
虎太郎『ん?』
あおい『なんで急に日本に帰って来たの?キミはあのアメリカで…しかもメジャー球団までもがキミに注目していたのに』
虎太郎『…チャンピオンシップ・ベースボールだよ』
あおい『チャンピオンシップ・ベースボール…?あの野球の世界大会のこと?』
虎太郎『そう』
あおい『それとキミになんの関係が…』
虎太郎『…俺はアメリカで野球を始めた。だけど、向こうじゃ俺は日本人だからって馬鹿にされる事が多かったんだ』
あおい『……』
虎太郎『野球の王者はアメリカ…アメリカが1番だって耳タコができるくらい聞いた…』
虎太郎『でも、実際そうだったと当時は思ってた。身体の大きさ、パワー、スピード…全てが俺なんかより上だった』
虎太郎『だけど、ある転機があったんだ。ある日本人メジャーリーガーが偉大な記録を打ち出したんだ。誰も破る事が出来ないと言われ続けた不滅の記録を破った』
あおい『あれは僕も感動したよ…』
虎太郎『その時、日本人だから通用しないなんて思わなくなった。あのメジャーリーガーみたいな偉大な選手に俺はなるんだって…』
虎太郎『でも、その時は日本で野球をやるつもりはまだなかった。だけど、そのキッカケがチャンピオンシップ・ベースボールだったのさ』
虎太郎『日本が連覇を達成したろ?』
あおい『うん、確か第1回大会とこの前の第2回大会で連覇したね』
虎太郎『アメリカは2回とも決勝で日本に負けた。その時思ったんだ、野球の本当の王者は日本なんだって…世界一の野球をする国なんだって』
虎太郎『だから、帰って来たんだ。世界一の選手になる為に世界一になったこの国で野球をする為に…!』
虎太郎『…これが動機さ』
あおい『…キミって言うことのスケール大き過ぎるよね』
あおい『無名校に来て、甲子園優勝だとか世界一の野球選手になるとか…』
虎太郎『俺はできるって思ってるぜ』
あおい『ふふ…キミってやっぱり変だね』
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