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奥居『まぁ、本当はオイラが野球部を創設する予定だったけどな~』
奥居『予定外ではあったけど、オメーと一緒のチームってのも悪くはないしな~』
あおい『ちょっと話の途中で申し訳ないんだけど…』
あおいが口を挟んだ。
あおい『こたろーくん…キミは一体何者なの?キミは一体どこで野球やってたの…』
奥居『なんだ知らないのか~?こいつはずっとアメリカでプレーしてたんだ』
あおい『アメリカ…?』
奥居『聞いた事ないか?全米一を成し遂げたリトル・シニアリーグのチームの主将で主力選手だった日本人プレイヤー…』
あおいはその話を聞いた事があった。
その選手は周りが外国人のエリート選手ばかりの中、唯一日本人で主力を務め、そして周りが金属バットを使用する中、唯一木製バットを使ってホームランを量産する天才打者。
その活躍はメジャーリーグの各球団も一目を置く活躍ぶりだった。
そんな彼にあおいは憧れすら覚えた。自分と同い年で自分よりも身体の大きい選手が多い中で活躍する姿にとても輝かしいものだった。
フルネームは覚えられなかったが、彼の珍しい名字だけは覚えていた。
あおい『そっか…確かその選手の名字は綾小路…こたろーくん、キミのことだったんだね』
虎太郎『…あまり過去の話はしたくないんだがな…』
奥居『たまには過去の栄光にすがるのも悪くないぜ~』
虎太郎『俺が嫌なんだよ』
奥居『…まぁ、かなり長話になって本題忘れそうだったな』
奥居『オイラも愛好会に参加させてくれ。オメーが言ってた甲子園優勝っていうムボーな挑戦、オイラも賭けてみるぜ』
虎太郎『無謀とは思っちゃいないさ、俺はできると思った事しか言わない』
奥居『へへ…らしいな』
虎太郎『だが、甲子園優勝にはお前の力が必要だ、力を貸してくれるか?』
奥居『モチのロンだぜ~』
あおい『(凄い…奥居くんまで入ってきた…もしかしたら僕たち本当に…)』
こんな無名の新設チームに甲子園優勝なんて無謀過ぎる…当初あおいはそう思っていた。
しかし、虎太郎の実力、奥居といった実力者までもがこの恋恋に来た。
奇跡としか言いようがないこの出来事にあおいは期待を胸に乗せずにはいられなかった。
……
帰り道
あおい『それにしてもビックリしたよ、まさかキミがあの天才打者だったなんて…!』
虎太郎『…その話は忘れてくれ』
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