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「お前たち、付いてこい。トンネルとか来たらやばいな、これ。ん?彼女さん、具合悪いのか?」
私は振り返った。彼女は青ざめていた。
「ごめん、春花。走り過ぎたね。でも……」
「いや、大丈夫。まだまだ走れる」
彼女は辛そうながらも微笑んだ。
私たちは刑事さんの後ろを全力で走った。
「くそ。もう弾切れか。おい、君たち、あと二個通過すれば運転席だ。そして止めろ」
「えっ?あなたは?」
「俺はここで死ぬ。もちろん、死ぬのは怖いさ。でもな、人のために死ぬなんてそんな死に方、カッコイイじゃんか。死に際に何を言ってるのやらな。お前にこの銃を渡す。残り一発だ。それを一個通過した際に撃て。これだけは言わせろ。大石警部の死をもって栄光に生きろ。そして走り抜け」
「はい」
私たちは全力で走った。近寄る者を荷物でどかしながら。もう、二つの荷物は中に入ったものがそこから落ちて使い物にならなくなっている。そんな時、たまたま落ちてた延長コードとサバイバルナイフを手に入れ、一個の電車を貫通した。そして私は銃の引き金を震えながらも真上に押した。
すると先程の電車の半分近くで爆発が起きた。ここまで熱風は来なかったが、そこの半分くらいから後ろは全て消え去った。引き離されたのだ。
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