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死体が線路に徐々に落ちていく。風が吹いてくるが、落ちることはなさそうだ。
最後の一つの列車に向けて延長コードを二重にして掴み回した。サバイバルナイフで人を刺した。
私の手に嫌な感触と罪悪感が残った。ついに運転手の席まで付いた。
しかし先に進めない。入り口となる扉がないのだ。
上にガラスがある。サバイバルナイフを使って手すりを掴んで叩き割ることにした。
なかなか割れない。それでも意地で割る。
ついに破壊した。
「よし、行こう」
彼女は俯いていた。
「春花、先に行くね?」
「……」
「春香?」
「……」
私は手すりに足を乗っけて上がる。そして危険ながらも運転席に飛び降りるかのように落ちた。
「いててて……」
「何してんですか?」
その声に聞き覚えがあった。
「春花?」
「ゆうくん?」
そこには運転席で運転している彼女だった。じゃあ、先ほどの彼女は?
「ねぇ、お前。ゲーム会社に働いてた?」
「何言ってるの?私は新幹線の運転手になるって子供の頃言ってたじゃん」
「お前、さっきまで一緒にいなかった?」
「はぁ?あなたとここにあったのが卒業してから始めてよ?」
私は彼女の言葉が何を言ってるのか分からなかった。彼女……本物の春香はどっち?
「ねぇ、この電車止められる?」
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