最終地点へ

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人が行き交う階段を下り、文字と矢印を確認して左へ突き進む。 『新幹線』 そう、それが私の今乗ろうとしている乗り物である。 私は腕時計を見て電子掲示板を見た。 時間も行き先もあってる。 指定席の券も手に持っている。 あとはここで待つだけ……と心に決めていた。 しかしその掲示板の文字を見ながら音声を聞いていた。 『まもなく新かんせんが来ます。……ら……』 正直の話、新幹線に乗るのはこれが初めてだった。しかしこの掲示板がおかしいのは分かる。なぜなら、アナウンスが言ったはずの「まもなく新幹線が来ます。しばらくお待ちください(その後の内容は省略するが)」と表記してないからだ。『新かんせん』とは何か。その疑問が脳内を一瞬駆け巡ったが、気のせいだと思い考えないことにした。 新幹線は私の髪を乱す風と共に勢いよく来た。 私の指定席の新幹線の入り口前にいる彼女に指定席の券を渡した。彼女はそれを確認して「はい。いってらっしゃい」と言った。 中に入るとところどころで席が空いている。私の指定席に辿り着くと私の目の前の席に女性が座っていた。彼女はどうやら居眠りしている。少し気まずいが、彼女の前に座ることにした。     
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