1/2

(青木はなんであたしのもとに現れたのだろう……)  青木が青木らしくない苦痛な表情で訴えてきてから数週間。青木との毎日は意外と普通に進んでいった。  まあ、いつもそばに青木がいるというのが恥ずかしくないわけがない。いつも遠くから眺めていた青木が、今度は逆にあたしの毎日を見ているわけで。  最初は気が抜けないままに一日を過ごしていたのだが、そんなことをしていたら身がもたないと悟ったのでやめた。青木があたしの生活に対してどう感じているかなんて一生解らないだろう。  ただ、いつも青木は楽しげで、それがあたしを嬉しくさせた。  青木には笑っていてほしい。  笑っていてほしいのだが。  なんとなく複雑な気分なあたしなのであった。  いつも遠くから眺めていた青木の眩しい笑顔。それが今は自分に向けられることが自然と多くなる。仕方ない、青木は他の人には見えないのだから。さらに、笑顔だけでなく青木の様々な素の表情も見る機会が増えた。  遠い遠い空のような存在だった青木。でも今はなんだか近すぎて戸惑ってしまう。  自分が青木に抱いていた感情が、少しずつ形を変えていっている気がして、あたしは不安にかられる。そんなとき、あたしは自分の日に焼けた肌を確認するように見て、まだ大丈夫、と勝手に納得するのであった。