見習い掃除屋

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 イゾッタとベラの討伐について行って、穴掘りの助っ人も始めた。二人は中級冒険者で、イゾッタはもうすぐ上級になれそうだと言っている。  俺はもう、施しが嫌いじゃなくなった。優越感だけじゃないのを、イゾッタの行動で知ったんだ。優しさってのもあるんだ。  ガルムは顔は怖いけど俺のこと気にかけてくれるから、クリスと一緒に俺のことが好きなんだろうとからかっている。でも、ちゃんと優しいんだってわかってる。  そういや昨日だけど、俺は今12歳だってクリスが言ってきた。なんか、俺様の言葉は絶対だ、とかわけわかんねーこと言って決めつけて、初級魔術を覚えろと魔術士ギルドに連れて行かれた。  魔術士ギルドの受付の人はちょっと怖かったけど、仕事が完璧でかっこよかったから、俺もああなりたいと思う。  魔術士ギルドのギルマスが、お金はいらないよと言ってくれたけど、でも金額が金額だったので必死で断った。そしたらツタでぐるぐる巻きにされて、そのまま球を全部覚えさせられた。  だから俺は今、冒険者見習いで魔術士の、黒の掃除屋だ。  明日はイゾッタたちの助っ人に入る。またたくさん働かないと部屋を借りることができない。クリスはジルが金はいらないって言ってたろ? と言っていたけど、ニヤニヤ笑っていたから出来るだけ早く稼ごうと思う。銀貨2枚ならあったのに!     
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