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「バレた! まあとにかく嫌ですから。まったく、久しぶりに来たと思ったら、とんだエイプに絡まれた」
「誰がエイプだ!」
うるさいエイプだ、とエールを口にしてそっぽを向く。
「あー、っとにお前は討伐嫌いだな! もういい、アルはどうした。最近来てねーんだが出張か?」
ジルから連絡来てねーが、なんて言ってるガルムに驚いて、エールが変なところに入ってむせてしまう。
「大丈夫か?」
「うぅ、苦しかった。はー、まったく。ギルマスが変なことを言ったせいですからね。聞いてないんですか? アルは死にました」
「は?」
「ジルも忙しそうですし、もしかして俺がギルド職員じゃなくなった話も知らないんですか?」
「はあ!?」
「だから顔が怖いですって!」
身を乗り出したガルムを押し返したら、ポスンと椅子に座り、口を開けて茫然としてしまったので食事を再開する。
約二か月も前の話だってのに、ここのギルドは職務怠慢じゃなかろうか。まあきっと、ジルが伝え忘れているだけだろうが。
「……本当、なのか?」
「ええ。ジルに確認してください。俺から話せることはひとつもありませんから」
「そうか……」
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