イゾッタさん出番ですよ

1/10
前へ
/158ページ
次へ

イゾッタさん出番ですよ

0    王都へ来てから色々あったけど、生活は安定している。それもこれも、親切に部屋や店の情報や、討伐を手伝ってくれたアルさんのおかげだ。  アルさんとは王都までの護衛依頼で知り合った。最初は無表情で観察されて、神経質そーって苦笑いしちゃったけど、王都につく頃にはいい人に変わっていた。  アルさんは神出鬼没で、気がつくと横にいたりする。気配に敏感になろうと日々五感を研ぎ澄ませているけど、毎回気がつかないので自信を無くす。でもクリスさんが、アルはそういう存在ですから。あれは特殊能力なんじゃないでしょうか。としみじみ言っていたので今は気にしないことにした。  クリスさんはアルさんの冒険者仲間で、なんとこの二人上級魔術士だ。  初級魔術を使える人は魔術士と呼ばれるんだけど、上級魔術士なんてその存在を疑っていたほどの存在だ。まあそれは私が冒険者で、魔術士ギルドのある街にいたことがなかったせいだったんだけど。  護衛中に私は、上級魔術士というものはすごいと何度も思った。それはもう、何度も。     
/158ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1410人が本棚に入れています
本棚に追加