イゾッタさん出番ですよ

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 護衛中なのに馬車の屋根で寝ている。護衛中なのに酒を飲む。魔物が近づいてるのにイゾッタさん出番ですよと押し出してくる。焚火があるのに魔道具でお湯を沸かし始める。敵もいないのに火球と水球が乱舞する。  とにかく上級魔術士は普通じゃない、ってことがよくわかった依頼だった。  あとで知ったんだけど、魔術士ギルドの特務員という人たちが変だっただけで、他の人は常識的な人たちばかりでした。うん、あの二人が変だっただけ。  それでも私はこの二人とは気が合った。最初から私を女として見ていなかったし、レズだと言っても変な目で見なかった(むしろアルさんはそういう店を探してきてくれた)し、酔って潰れても部屋に放り込んでさっさと帰っていくし、会うと恋人出来たのかとニヤニヤ聞いて来て余計なお世話なんですよ! ほんっとクリスさんはちょっとアルさんの慎ましいところを見習った方がいいと思う!  アルさんは水色の髪が目にかかっているんだけど、そのうち切る、今度切る、邪魔じゃない、と言って長いまま。私の予想では目が大きいのを隠そうとしているだけだと思う。アルさんは可愛いと言うと嫌がるから。命の危険を感じる冷気が背後から漂うのが怖いので、私はもう可愛いって思うだけで口にはしない。アルさんはクリスさんのおおらかさを見習った方がいいと思う。     
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