三代目

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「おい、おやっさん、元気でやってるかい?」 「ありゃ、こりゃ珍しい……牙爪組の三代目か。久しぶりじゃねぇか……」 「ああ……6ヶ月前の抗争の時以来…か…」 「へへ、あの時は、お前さんのおかげで助かったぜ。  ヤマト組に、お前のところの二代目が、  タマ取られた時にゃー、わしの商売も終わりかと思ったが、  あんたみたいな若い硬派な奴が、まだこの時代にいたとは……」 男がタバコをくわえると、オヤジがすかさず火をつけた。 暗い場所に、オレンジの蛍が舞う。 「フゥー、  おやっさん、こんな暗い場所で商売してて、うまくいくのかよ?」 「心配すんにゃい……この場所は神様が守ってくれてんだ。  そんな事より、今日は何の用だい?」
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