第一章 調査 2011年 その3

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この寒い地方も暖かいというよりも暑くなってきた頃。 俺とオヤジは調査に訪れていた。 何を? 廃墟を、だ。 オヤジ「いい廃墟じゃん」 俺「いや、なんだよいい廃墟って」 オヤジ「ロマンを感じるところ」 それは少しわかるwww オヤジはこの先廃墟マニアになっていくこととなるwww というわけで廃墟、廃墟である。 正確には心霊スポットの廃墟。 加納さんから渡されたファイルにあったうちの一つの廃墟の探索に来ていた。 オヤジ「…………うーん」 俺「どうよ?」 オヤジ「外観からだからまだなんとも言えないけど、いないな」 というよりも気配すらしない。 この廃墟そこそこ名の知れた心霊スポットであるのだが、その割には霊がいるとは思えないのだ。 オヤジ「神域…………」 俺「ん?」 オヤジ「いや、まるで神域みたいだなって思ったんだ。3月の旅行で行ったろ、伊勢に」 俺達は震災のほんの少し前に卒業旅行で関西へ行ったのだ。 大阪、京都、奈良、神戸、そして伊勢。 俺が高校を中退していて修学旅行で京都へ行ったこともなかったから皆が関西を回ろうと言ってくれた 。 その中で俺とオヤジの希望でどうしても行きたかったのが伊勢。 察しの良い方ならお分かりかと思うが伊勢といえば、伊勢神宮。 天照大神を祀る日本一有名と言っていい神社だ。 その理由は一度この目で拝んでおきたいと思ったからだ。 俺「砲台山は良かったな。涙が出そうだった」 オヤジ「龍頭山な、いやあれも良かったけど俺ら以外ポカーンだったぞ」 あと、もうひとつ理由があって、半分の月が登る空というラノベの舞台が伊勢だったので俺がごり押ししたwww
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