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オヤジ「とりあえず、入るか」
一つ伸びをしてオヤジが『ソレ』を持つ。
電気工事用のナイフ。
この時俺達の装備は、靴はブーツタイプの安全靴。
腰に予備のナイフ、軍用懐中電灯。
さらに頭部はフルフェイスヘルメット。服も動きやすく丈夫な素材の物を着ていた。
そして念のための簡易無線機。
送受信は半径一キロもないがこの廃墟なら階を2つ以上隔てなければ大丈夫だろう。
昼の調査とは言えこの装備で来たのは当然と言えば当然。
何故なら『笑えない状況』なのだから。
俺達は今から敵の勢力が最低でも一度は来たことのある施設内に侵入するわけだ。
俺が、いや俺やオヤジが敵なら罠を仕掛ける。
ありきたりならブービートラップ。
ともすれば霊的なトラップもあるかもしれない。
何せ敵である阿光はこの時代に霊を追い出すような技を持っている。
ならば、呪法の類が、本当にそんなものがあるかどうかはともかく、使えるかも知れない。
そのために用心はいくらしてもし足りないということはない。
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