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Prolog__00
人生に夢とか希望とか。
そんなものとうに無く。
今はただ、怠慢を貪るようにだらだらと生きている。
朝起きて仕事に行って、仕事が終わって家に帰れば寝る。
ただただそれの繰り返し。
仕事も、初めは少しずつ出来ることが増えて嬉しかった。
けれど、私は不器用で仕事の出来ない方なのだろう。
しばらくすると、注意される事の方が多くなってしまった。
自分なりに頑張ってみるも、足りない。
全然、全然足りない。
無能で、約立たずで、生きる意味も見出せず。
家事に追われるのも、生活の為だけに仕事に行くのも疲れてしまった。
せめて無能は無能なりに、誰にも迷惑をかけずにひっそりと生きていけたらどんなに良いだろう。
そんな繰り返しの日々の中、絶対に不可能だと分かっていても、思ってしまう。
人生を一からやり直したいと。
自分でも馬鹿なことだと分かっていた。
これも無駄な逃避だ。
そんなことより、今の生活を少しでも改善するべきだと。
けれど、今日もまた逃避した思考が同じ事を繰り返す。
ああ、本当に私という奴は……。
しかし、もしもがあるとするなら。
私は、今度こそ--。
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