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「何食べようか」
「おすすめのお肉は、なぁに?」
「これ。骨つきでちょっと食べにくいかもだけどすごく美味しいんだ。どう?食べてみる?」
写真は確かに美味しそうだ。
私はメニューを見ながらうなづく。
しばらくすると料理が運ばれてきて、
写真を撮るでもなく、大げさに目を輝かせるでもなく、手を伸ばして食べ始める。
「美味しいね?」
骨つき肉を口に運んだ後、汚れた指先をペーパーで拭きながら話しかけてくる。
上品で、なんて生物(いきもの)的なんだろう、と思わずうっとりする。
「うん、美味しい。柔らかいね。口で溶けちゃう」
「でしょう。これがうまいんだわ。そしてビールと合う」
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