天の明かり

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どうか。 私の失くしたものが、天へ還れるように。 ひとり泳ぎ着いてしまった毛布の岸辺で、どうか救って、と胸を押さえる私のまなじりから、涙がすべり落ちる。 薄い三日月の、清かな月明かりからうつった銀色が、熱をはらんで瞬いた。
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