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紀元前XX年から人々は悪魔などの悪しきものと戦ってきた。人々はフツギという超能力で倒していった。時は流れ、悪魔などを退治するものをエクソシストと呼ぶ。今では皆がフツギを持つようになった。ただ、彼を除いては・・・
とある高校の通学路を歩く3人の人物。
「なあ、蓮!今度カラオケ行かね?ちょうどテストも終わったしな!なあ!いいだろ?」
蓮と呼ばれた彼の特徴は、太陽のようにきらめく金髪の地毛、炎のようなあたたかいオレンジ色の瞳、小さく可愛らしい牙、そして180cmの身長とは少しアンバランスな可愛らしい童顔、そして赤いヘアピンを二本つけている。「バイトがなかったらね。」
しばらく悩んでから答えた。
「あ、暗くなってきた。またな蓮」
「じゃあな!」笑顔で答えた。すると友人の一人が、手から野球ボールサイズの光の玉を作り、蓮に渡した。人懐っこい蛍のように蓮のまわりを飛んでいる。「気ぃつけろよ!お前はフツギ使えないからな!」
「サンキュー!」蓮は足早に家路に戻る。高校から家までは歩いて一時間弱ある。あともう少しというところに、どす黒いキリンのような姿をした悪魔にあってしまった。(うわあ~!こんなとこでぇ!)フツギが使えるなら、そんなのなんとかして倒せる。しかし、彼はできない。12年前、蓮が六歳の時、彼の両親は悪魔に殺された。二人共エクソシストだった。任務のため家を開けるのが多かった2人は有給を取り蓮とともに遊園地に行こうとした時に襲われた。蓮はショックのあまり、普通6歳で目覚めるはずのフツギが目覚めることはなく18歳になるまで過ごした。本人は羨ましくもあるが、大して気にはしなかった。蓮は武器となるものを探したが、なかった。自慢の脚力で家に戻りエクソシストに通報しようとしたその時、満月に浮かぶ影が夜風に乗り、降りてきた。華麗に着地したその姿は少女だった。浦島太郎に出てくる乙姫のような髪型。紅く美しい髪と凛とした瞳。見た目は小学生くらいの体だが、胸は大きめ。身長と同じ位の槍を持っている。彼女は天をも貫くような声で「覚悟ー!」と叫び、悪魔の喉笛に槍で貫く。悪魔は声にならない悲鳴をあげる。それと同時に赤い花が槍で刺した部位に咲き、爆音を上げて悪魔もろとも破滅させた。彼女は蓮につかつかと近づき凛とした声で自己紹介した。「私は日暮紅緒だ!よろしく頼む!お前は?」
「蓮。日向蓮です・・・」
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